2011年3月20日日曜日

「私はなにをもって償えばいい・・・?」

「SIRENT HILL2」

物議をかもし、一躍人気シリーズとなったサイレントヒルの続編。
ただし、これ、スタッフが別々だったらしい。
その為か、ビミョウな部分でシステムに差が出ており、
それがサイレントヒル4で顕著に現れるのだが、それは余禄。

物語は冒頭で一人の中年男性がある目的をもってサイレントヒルにたどり着き、
この時点ではよく分かっていない目的とを求めて変にさ迷うことになる。
途中、墓地で一人の女性に出会い、一抹の不安を感じつつその場は別れ、
やがて市街地にたどり着き、ふと目に付いた血糊を辿って路地裏に入った時

この世ならざるものを見た。猛烈な嫌悪感の中、主人公はふと、
手に取った角材でなんとか殴り殺したがそれは続く狂気の
プロローグにすぎなかった・・・・・

もういい加減古いゲームなのでネタバレを言うと、このゲームの世界設定は実は
主人公が病気で苦しむ妻を苦悩の末手にかけてしまい、後を追うために以前、
訪れたサイレントヒルの湖で入水自殺を図ろうとする時に巻き込まれた
不愉快な事件・・・ということである。

作中にでてくるクリーチャーのスタイルはいずれも主人公の深層にある
「自分を罰するもの」が具現化されたものであり、また、
たびたび出る底の見えない穴へ飛び込むシチュエーション、
主人公以外のさまざまな狂気を孕んだサブキャラクター、
そして2を代表するなによりも強烈なクリーチャーである「断罪するもの」としての
三角頭こと「レッドピラミッドシンク」等、かなり考察の余地の大きい作品である。

ところで先程ライン、スタッフが別と書いたが、この作品における
サイレントヒルという町は前作で問題視された狂信者達は出てこない。
なぜかというと、これもネタばれになるが舞台はあくまで主人公の深層の世界なのだ。
町の背景として狂信者達の活動の場(教会等)は出るものの、
町を徘徊しているクリーチャーは結局のところ、主人公の幻でしかない。
その為に時々出会う少女は主人公の疑問に関わらず、
平然と街中を歩いていたりするが、当の少女にとっては何も居ない
ただの町でしかないのである。随分と寂れた町とはいえ。

しかしながら主人公以外の人間にとっては、一部の人以外にとっては実のところ
主人公の内在する世界とはいささかも関係ないということを考えると、
途中のボスとして出てくる銃をもって襲い掛かってくる少年を正当防衛とはいえ、
殺してしまっている。少年が狂っていたとしても。
この件からも伺えるのだが、このゲームはあるエンディング以外救いがない。

主人公自身が救いでなく贖罪を求めていたからである。

そういう意味では2もやはり1と同じく主人公と共に
徐々に深まる絶望を共感して欲しい、そんなゲーム。


サイレントヒルというゲームはつくづく、クリーチャーという妨害役とただっ広いマップを
東奔西走する探索ゲームなんだと思う。WEBにあっては一ジャンルを築いているが、
基本はアドベンチャーゲームであり、どこへいってなにをするかを探すのが
主眼である以上、対抗としての某ゾンビ絡みの陰謀ゲームのように変にアクション性等
こだわる必要はなかったはずである。まぁ、シリーズ3以降の問題点だけども。

なお、余談だが、このサイレントヒル2は隠しEDが2つある。
一つはおなじみUFOが登場し、1の主人公のハリーが宇宙人と共に
2の主人公ウォルターを拉致するのである。ヒドスw
もう一つは・・・・見れば脱力間違いなし。詳しくは語らないが
ED動画はYouTubeでアップされている。
まぁ、キーワードは「犬」とだけ。